J−CKDI基本理念

慢性腎臓病(CKD)患者の予後と生活の質改善のための行動計画

日本慢性腎臓病対策協議会(J-CKDI)では、CKD患者の予後と生活の質改善のための行動計画を次のように定めています。

● 社会、患者、保険者に対する行動計画

  • 1. 一般市民、患者、CKD対策に関係する団体等を対象にCKDに関する啓発・情報提供を行う。
  • 2. CKDは透析や腎臓移植を要するような末期腎不全(ESKD)の予備軍であるのみならず、心血管疾患(CVD)の重大な危険因子であり、国民の健康に重大な脅威を与えている事実を、社会に広く啓発する。
  • 3. CKD対策には肥満防止、禁煙、減塩などの生活習慣の是正が重要であることをアピールし、国民の健康増進に寄与する。
  • 4. 治療を要する約600万人のCKD患者にCKDであることを自覚させる。
  • 5. CKDは早期発見、早期治療が重要であるため、タンパク尿とeGFRによるCKDスクリーニングを広く社会に推奨する。

● 医療者(CKD医療を行う医師、コメディカルスタッフ)に対する行動計画

  • 1. 基礎疾患、尿検査とeGFRによる腎機能評価法(CGA分類)を普及し、CKD診療の標準化を行う。
  • 2. CKDによる末期腎不全(ESKD)/心血管疾患(CVD)を防ぐためのシステムを構築する。
  • 3. 日本医師会、日本糖尿病対策推進会議と密接に協力するとともに、CKD克服のために活動しているすべての個人や団体のために、日本慢性腎臓病対策協議会は中心的な役割を果たす。
  • 4. CKD患者のレジストリー構築、腎疾患に関する戦略研究をはじめ、CKDに関する臨床研究を推進する。
  • 5. 腎専門医とかかりつけ医や腎臓以外の専門医との診療連携システム構築を進める。
  • 6. CKD対策の推進のため、医師、保健師、看護師、薬剤師、栄養士は連携して対策にあたる。患者の立場に立った栄養指導、生活指導によリCKDの発症・進展抑制をはかる。

● 行政や政府に対する行動計画

  • 1. 国の健康政策に総合的な慢性腎臓病(CKD)対策を中心課題として設定するよう働きかけるとともに、都道府県や市町村、企業などでも健診や健康増進施策にCKD対策を組み込むよう働きかける。
  • 2. 特定健診におけるeGFRによる腎機能評価を推奨する。
  • 3. 厚生労働省の「腎疾患対策事業」に積極的に協力し、各都道府県でのCKD啓発、人材の育成等を支援する。

● 国際協調に関する行動計画

  • 1. CKDと戦う国際的な団体であるKDIGOと協調する。
  • 2. アジアにおけるCKD対策のリーダーシップを発揮するとともに、アジア諸国と協調して行動する。

用語解説

CKD
: Chronic Kidney Disease(慢性腎臓病)の略。K/DOQIガイドライン(米国腎臓財団提唱の腎臓病予後改善対策のガイドライン)で定義やステージ分類がなされている。
CVD
: Cardio Vascular Disease(心血管疾患)の略。慢性腎臓病(CKD)はCVDの独立した危険因子である。
GFR
: Glomerular Filtration Rate(糸球体濾過量(値))の略。1分間または24時間の間に糸球体を濾過されてできる原尿(濾液)の総量。腎機能を表現するときにもっとも基本となるもの。
eGFR
: Estimated Glomerular Filtration Rate(推算糸球体濾過量(値))の略。血清クレアチニン値(Cr)・年齢・性別から推算式を用いて糸球体濾過量(GFR)を推定します。
ESKD
: End Stage Kidney Disease(末期腎不全)の略。腎機能の低下により移植や透析を必要とするような状態を指す。ESRD(End Stage Renal Disease)も同意。
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