今回はエネルギー代謝を始め体内の様々な働きに関与しているパントテン酸について解説していきます。

パントテン酸について
パントテン酸は、ギリシャ語で「どこにでもある酸」という意味で広く食品に存在します。
水溶性のビタミンB群に属し、水に溶けやすく熱に弱い性質です。腸内細菌で体内合成されます。
パントテン酸の働き
パントテン酸は以下のような働きを持っています。
エネルギーの代謝
パントテン酸は、脂質・糖質・たんぱく質を分解する補酵素として働き、エネルギーを作り出します。
一度作り出されたエネルギーは体内に蓄積することはなく必ず消費されます。エネルギー代謝が上がると基礎代謝が高くなり、太りにくい体質となるのでダイエットのサポートにも有効です。
皮膚と粘膜の健康維持
ビタミンCの働きを助け、ニキビや肌荒れを防ぐ効果があります。肌だけではなく髪にも潤いを与えてくれます。
ストレスを和らげる
ストレスへの抵抗力を高める副腎皮質ホルモンの働きを促進させます。
ストレスが溜まっていると活性酸素が増加し皮膚トラブルにも繋がります。
免疫抗体の合成
細菌やウィルス、異物などに対する抗体の合成に関わり、免疫力を高めます。
コレステロールの合成
酸化したコレステロールや血管内に溜まった余分なコレステロールを回収して肝臓へと運ぶ善玉コレステロールを増やし、動脈硬化を予防します。
パントテン酸が不足すると?
パントテン酸は様々な食品に含まれているため、普通の食生活で欠乏することはありません。
アルコールやカフェインはパントテン酸を消耗するので、お酒やコーヒーをよく飲む人は少し意識して摂取すると良いでしょう。
欠乏症になると成長障害、副腎障害、手足のしびれと灼熱感、頭痛、疲労、不眠、胃不快感を伴う食欲不振などが起こります。
パントテン酸を摂りすぎることはある?
パントテン酸の大量投与による吐き気、食欲不振などの報告はありますが、通常の食事内容では取りすぎる心配はありません。
また、水溶性のビタミンなので摂り過ぎたとしても尿中などに排出されます。
パントテン酸を多く含む食べ物12選
パントテン酸の推奨量目安は成人男子で5㎎、成人女子で4㎎です。
特に多く含まれている食材を紹介いたします。

100gに10.10㎎のパントテン酸を含有しています。50gで目安量の4~5㎎は十分に摂取出来ます。
臭味のある食材ですが、生姜を効かせた生姜煮や甘辛煮など、しっかりした味付けをすることで食べやすくなります。

佃煮にしてしいたけが主役となる調理方法にすると摂取量が上がります。

卵黄の醤油漬けは、醤油に付け込み冷蔵庫で一晩寝かせるだけ。簡単にごはんのお供が出来ます。

納豆は加熱したり水にさらすことなくそのまま食べられるため、損失なく手軽に補給できる食材です。

生でも焼たらこでも含有量は同じです。


脂質が多くカロリーが高い食材なので、ピーナッツバターだけでパントテン酸を補給するというよりは補助的に摂取する食材と考えた方がいいでしょう。

夏が旬の野菜で、葉を刻むとぬめりが出るのが特徴です。
モロヘイヤはアクであるシュウ酸を含んでいるため、一度茹でて冷水に取ってから調理しましょう。納豆や山芋などと混ぜて食べたり、スープに入れるのもいいでしょう。

森のバターと称されるように、アボカドは脂質が多くカロリーが高い果物ですので、アボカドだけでパントテン酸を補給するというよりは補助的に摂取する食材と考えた方がいいでしょう。

100g当たりの含有量は多いですが、水で戻す前の数値です。水で戻すとカサが増すため、切り干し大根だけでパントテン酸を補給することは難いため補助的に摂取する食材として考えましょう。
煮物が一般的ですが、ナムルや酢の物などにしても美味しくいただけます。

煮物やサラダなどのおかずから、スイートポテトなどのデザートまで幅広い料理に使用できる食材です。
生のサツマイモには100gあたり0.9㎎含まれますが、蒸すよりも焼いたほうがパントテン酸の含有量が多くなります。

チョコレートだけで目標量を達成するにはカロリー・脂質共に摂取過多となりますが、ほっと一息つきたい時でもパントテン酸を意識する場合はチョコレートを摘まんでみてはいかがでしょうか。
パントテン酸はこんな人におすすめ
お酒やコーヒーをよく飲む人は欠乏しやすいので積極的に摂るよう心掛けましょう。美容・ストレス対策にはビタミンC、ビタミンEと一緒に摂ると効果的です。
・肌荒れ、ニキビが気になる人、髪の毛に潤いが欲しい人
・ストレスを感じやすい人
・風邪をひきやすい人
・生活習慣病を予防したい人
パントテン酸を摂るのにおすすめの酵素商品
パントテン酸補給におすすめな酵素商品を紹介します。
多種類の食材を使用した酵素ドリンクです。
パントテン酸カルシウムが35mlあたり7㎎含まれます。
他にもビタミンB群が豊富な栄養機能食品ですので、まんべんなく取りたい人におすすめです。