「食」は「健康」に結びつき病気を予防するということを知り、管理栄養士になることを決意!医療機関・研究機関を経て、現在は主に執筆・保健指導・レシピ作成・食事アドバイスなどの仕事を中心にフリーランスで活動中です。
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葉酸とは
葉酸は、「プテロイルモノグルタミン酸」という化学名でビタミンB群に属し、ビタミンB12と共に造血のビタミンといわれています。葉酸とビタミンB12は、どちらかが不足してしまうと造血がうまくいかず、互いに補い合いながら効果を発揮します。
葉酸の働き
葉酸は赤血球を作り出す時に必要なビタミンであり、不足すると正常な赤血球を作り出すことができなくなります。
また、細胞の遺伝物質であるDNAの成分の1つ・核酸の合成を助けたり、たんぱく質の分解や合成にも作用し、成長の促進にも関与しています。特に、細胞増殖が盛んに行われる胎児期~幼児期に重要なビタミンです。妊娠初期に葉酸を十分摂取することで、神経管閉鎖障害(奇形や下半身麻痺など)を防ぐことができると言われています。
葉酸が不足すると?
葉酸が不足すると鉄欠乏性貧血や悪性貧血になりやすく、胃腸障害、頭痛、倦怠感などの症状として現れることがあります。
ひどくなると神経障害が引き起こされることもあります。神経管閉鎖障害などになる可能性が高くなるので、特に妊婦の方や授乳期の方は積極的に摂っていただきたい栄養素です。
胎児期や乳児期に葉酸が不足すると、神経や脳に異常をきたすことが知られています。
また、葉酸は動脈硬化を予防する効果もあるため、不足すると動脈硬化のリスクが高まります。
葉酸を摂りすぎることはある?
葉酸は水溶性のビタミンであるため過剰に摂った分は排泄されます。また、通常の食事内容では過剰症になることは考えにくいです。しかし、サプリメントで規定量以上を毎日摂取している方は注意が必要です。
過剰症の症状として葉酸過敏症(蕁麻疹、かゆみ、吐き気などの症状)が起こりやすくなるほか、ビタミンB12が不足していることを発見しにくい(貧血は改善するが、神経症状だけが残るため)という悪影響もあります。
また、妊娠中に葉酸サプリを過剰に摂取すると、赤ちゃんが喘息になるリスクが増えるとも言われています。
サプリメントによる取りすぎには気を付けましょう。
葉酸を多く含む食べ物
葉酸の摂取推奨量は、18歳以上の男女ともに1日240㎍とされています。
妊婦の場合は+240㎍、授乳婦は+100㎍の追加摂取が推奨量です。
通常の食事内容では過剰摂取の心配はありませんが、サプリメントなどによる大量摂取には過剰症のおそれがあるため、下記のような耐容上限量が設定されています。
18~29歳…900㎍
30~49歳…1000㎍
50~69歳…1000㎍
70歳以上…900㎍
※男女供に

生では約210㎍(100g中)含まれますが、ほうれん草にはシュウ酸が含まれおり結石を作ってしまう可能性もあるので、さっと下茹でしてから使用するのが基本です。茹でた場合でも、約110μg(100g中)含まれるため、比較的多く摂ることができる食材です。

ただし、レバーには脂溶性ビタミンであるビタミンAも多く含まれていますので、毎日たくさん食べて過剰摂取してしまうと、胎児への奇形が心配されます。従って、レバーだけを毎日と食べるいうよりは、他の様々な食品からも併せて葉酸を補うようにしましょう。

イチゴは洗うだけですぐに食べられる果物なのでとてもお手軽で、まるごと食べられ栄養素を無駄なく摂ることができるのが魅力です。

アスパラガスには生の状態で約190㎍(100g中)の葉酸が含まれますが、茹でても約180μgと量にそれほど差がありません。1本おおよそ16gですので、3本食べるだけでも約86㎍の葉酸を摂ることができます。


食卓にプラスしやすく、比較的楽に葉酸を摂ることができる食材です。

おつまみとしてそのまま食べるだけでなく、サラダや炒飯のトッピングにするのもおすすめです。

脂質が多いですがビタミンEが豊富で、抗酸化作用や血流を良くする働きを持っています。葉酸は約84㎍(100中)含まれていますが、カロリーと脂質が高めなので食べ過ぎには注意しましょう。

味に癖がないので使える料理も多く、食べやすい食品です。
葉酸はこんな人におすすめ
葉酸は造血のビタミンとも言われ、特に貧血気味の方や妊婦の方には摂っていただきたい栄養素です。
また、アルコールを多く飲まれる方も葉酸が不足しがちですので、意識して摂ると良いでしょう。
葉酸と同時に、ビタミンCや亜鉛、ビタミンB6、ビタミンB2、ビタミンB12などの栄養素もいっしょに摂ると吸収率が高まります。また、葉酸は胃や小腸が空の時に吸収率が良くなるので、できれば食事と食事の間に摂ることがおすすめです。

高橋 美枝
「食」は「健康」に結びつき病気を予防するということを知り、管理栄養士になることを決意! 医療機関、研究機関を経て、現在は、主に執筆、保健指導、レシピ作成、食事アドバイスなどの 仕事を中心にフリーランスで活動中です。